「また仕事が続かなかった……」
「周りの人は普通に働いているのに、どうして自分だけ続かないんだろう」
「やっぱり、自分が甘えているだけなのかな」
HSP気質があり、仕事が長続きしないことに悩んでいると、こんなふうに自分を責めてしまうことがあります。
私自身、これまでに5回の転職を経験してきました。
24歳のときには、入社した会社をわずか3か月で退職したこともあります。
当時は「せめて3年は続けなければ」と思っていましたし、短期間で辞めてしまった自分を情けなく感じていました。
でも、その後の社会人生活で気づいたことがあります。
仕事が続かない理由は、本人の甘えや根性だけで説明できるものではないということです。
実際、私にも短期間で辞めた職場がある一方で、何年も働き続けられた職場があります。
同じ自分なのに、なぜこれほど違ったのでしょうか。
今振り返ると、仕事内容だけでなく、職場の雰囲気や人間関係、働き方との相性が大きかったように思います。
この記事では、転職を5回経験した私の実体験を交えながら、次のことをお伝えします。
- HSP気質の人が仕事を続けにくいと感じる理由
- 短期間で辞めた職場と、長く働けた職場の違い
- 今の仕事を少しでも続けやすくするための対策
- 仕事を辞めるか迷ったときに考えたいこと
仕事を続けることだけが、正解ではありません。
でも、辞めることだけが、選択肢でもありません。
自分に合う働き方を考えるためのヒントとして、読んでいただけたらうれしいです。
HSPで仕事が続かないのは甘え?まず知ってほしいこと
仕事が続かないことと、甘えは同じではない
仕事が続かないと、「忍耐力がない」「我慢が足りない」と考えてしまうことがあります。
特に、周囲の人が同じ会社で長く働いていると、自分だけが取り残されているように感じるかもしれません。
でも、仕事が続かなかったという結果だけで、その人が甘えているとは言い切れません。
仕事が続かない背景には、さまざまな事情があります。
例えば、職場の人間関係が合わないこともあれば、仕事内容に強いストレスを感じることもあります。
HSPという言葉で表現されるような、周囲の刺激や人の反応に敏感な傾向がある人なら、ほかの人が気にならないことにも疲れを感じる場合があります。
もちろん、HSP気質がある人すべてが仕事を続けにくいわけではありません。
同じ職場でも、働きやすいと感じる人もいれば、つらいと感じる人もいます。
だからこそ、仕事が続かなかったときに大切なのは、「自分はダメな人間だ」と決めつけることではなく、「何が続けにくかったのか」を振り返ることだと思います。
原因が分かれば、今の職場で改善できることが見つかるかもしれません。
あるいは、次の職場を選ぶときに、同じ苦しさを繰り返さずに済むかもしれません。
仕事が続かなかった経験も、これからの働き方を考えるための材料になります。
例えば、仕事が続かなかった理由を振り返るときは、次の3つを考えてみてもいいと思います。
- 仕事内容がつらかったのか? ―― 業務そのものが苦手だったのか。
- 職場環境がつらかったのか? ―― 人間関係や騒音、急な予定変更などが負担だったのか。
- 働き方がつらかったのか? ―― 残業や仕事量、休憩の取りにくさなどが合わなかったのか。
一つだけが原因とは限りません。
いくつもの負担が重なって、仕事を続けることが難しくなった場合もあると思います。
大切なのは、自分を責めるためではなく、次に同じ苦しさを繰り返さないために振り返ることです。
私も24歳で入社した会社を3か月で辞めた
私が24歳のときの話です。
入社した会社を、わずか3か月で退職しました。
当時の私は、飛び込み営業に強いストレスを感じていました。
知らない相手のところへ訪問し、断られることを繰り返す。
営業という仕事そのものが嫌いだったわけではありませんが、当時の働き方は自分に合っていなかったのだと思います。
それでも、簡単には辞められませんでした。
「石の上にも三年」という言葉もありましたし、たった3か月で辞めるなんて、社会人として失格なのではないかと思っていたからです。
結局、その会社を辞めました。
今でも、あのときの自分に改善できることがまったくなかったとは思いません。
もう少し相談できたかもしれないし、仕事の進め方を変える方法もあったかもしれません。
でも、あの退職だけで、その後の社会人生活が決まったわけではありませんでした。
私はその後も転職を経験しながら、営業の仕事を続けてきました。
そして、長く働ける職場にも出会いました。
3か月しか続かなかった自分と、何年も働き続けた自分は、同じ人間です。
この経験から、仕事が続くかどうかは、本人の努力だけではなく、環境との相性にも左右されるのだと感じています。
だから、もし今、仕事が続かないことで自分を責めている人がいたら、伝えたいことがあります。
続かなかった理由を考えることは大切です。
でも、続かなかった自分を、いつまでも責め続ける必要はありません。
HSP気質の人が仕事を続けにくいと感じる5つの理由
HSP気質がある人の中には、仕事そのものよりも、職場の環境や人間関係に疲れてしまう人がいます。
私も長く営業の仕事をしてきましたが、仕事の内容以上に、周囲への気遣いや職場の雰囲気に消耗していた時期がありました。
ただし、HSP気質があるからといって、必ず仕事が続かなくなるわけではありません。
大切なのは、自分がどんな場面で疲れやすいのかを知ることです。
ここでは、仕事が続けにくいと感じる理由を5つに分けて考えてみます。
1.周囲の反応や人間関係に疲れてしまう
職場で誰かが不機嫌そうにしていると、気になってしまう。
上司の声のトーンがいつもと違うだけで、「何か悪いことをしたかな」と考えてしまう。
そんな経験はありませんか。
私も以前は、周囲の反応を必要以上に気にしていました。
相手の機嫌が悪そうだと、自分に原因があるのではないかと考えてしまうこともありました。
もちろん、相手が不機嫌な理由は分かりません。
仕事で困っているのかもしれないし、単に疲れているだけかもしれません。
それでも、気になってしまうんですよね。
こうした気遣いが一日中続くと、仕事が終わるころには、すっかり疲れてしまいます。
仕事の量はそれほど多くなくても、人間関係に気を張り続けることで、職場にいること自体がつらくなる場合があります。
そんなときは、相手の機嫌まで自分の責任にしないことが大切だと思います。
私自身、相手の反応をすべて受け止めようとするのをやめてから、少しずつ気持ちが楽になりました。
2.音や電話などの刺激が多い
電話の呼び出し音、周囲の話し声、突然の来客。
職場には、さまざまな刺激があります。
人によっては、それらが重なることで集中しにくくなったり、疲れを感じたりすることがあります。
例えば、資料を作成している途中に電話が鳴る。
対応が終わって作業に戻ろうとすると、今度は別の人から声をかけられる。
そのたびに頭を切り替える必要があり、思った以上に疲れてしまうことがあります。
私も営業の仕事をしてきた中で、落ち着いて一つの仕事に取り組める時間の大切さを感じてきました。
もちろん、電話対応や周囲とのやり取りが苦にならない人もいます。
大切なのは、どんな環境なら自分が集中しやすいのかを知ることです。
もし刺激の多い職場で疲れやすいなら、静かな場所で作業する時間を確保したり、集中する時間帯を決めたりするだけでも、負担が変わるかもしれません。
3.責任感が強く、自分を追い込んでしまう
「頼まれた仕事は、きちんと終わらせなければ」
「期待されている以上の成果を出さなければ」
そんな気持ちで、無理をしてしまうことはありませんか。
私自身、以前は「できる営業マン」でありたいという思いが強くありました。
頼まれたことは断らず、できるだけ期待に応えようとしていました。
仕事を頑張ること自体は、悪いことではありません。
でも、いつも全力で走り続けていると、どこかで疲れてしまいます。
今は、仕事を長く続けるためには、頑張り方を調整することも必要だと感じています。
すべてを完璧に仕上げようとするのではなく、優先順位をつける。
自分だけで抱え込まず、周囲に頼る。
頑張れる方法より、続けられる方法を選ぶ。
そんな考え方も、仕事を続けるためには大切なのではないでしょうか。
4.マルチタスクや急な変更が負担になる
予定していた仕事を進めている途中で、急な依頼が入る。
ようやく一つの仕事に集中できたと思ったら、別の案件の対応を求められる。
こうした状況が続くと、疲れてしまうことがあります。
特に営業の仕事では、お客様からの問い合わせや社内の調整など、予定どおりに進まないことも少なくありません。
私も、複数の案件を同時に抱えながら、あれもこれも対応しようとしていた時期がありました。
でも、忙しく動き回っていることと、仕事がうまく進んでいることは、必ずしも同じではありません。
今は、できるだけ仕事を整理し、一つずつ片づけることを意識しています。
例えば、朝のうちにその日の優先順位を決めたり、急ぎではない仕事を後回しにしたりする方法です。
すべての予定変更をなくすことはできません。
それでも、自分がコントロールできる部分を少し増やすことで、働きやすさが変わる場合があります。
5.仕事内容や職場環境が合っていない
仕事が続かないと、「自分には社会人としての適性がないのでは」と考えてしまうことがあります。
でも、同じ人でも、職場によって働きやすさが大きく変わることがあります。
例えば、営業という仕事一つをとっても、飛び込み営業と既存のお客様を担当する営業では、求められる働き方が違います。
新しいお客様に次々と声をかける仕事が得意な人もいれば、時間をかけて信頼関係を築く仕事のほうが力を発揮できる人もいます。
私自身、24歳で入社した会社では飛び込み営業に苦しみ、3か月で退職しました。
でも、その後も営業という仕事を続けてきました。
つまり、**「営業が向いていなかった」のではなく、「あのときの営業のやり方が自分に合っていなかった」**のかもしれません。
これは営業以外の仕事でも同じだと思います。
職種の名前だけで、自分に向いているかどうかを決めるのは難しいものです。
仕事の進め方、人間関係、裁量の大きさ、求められる成果。
そうした条件によって、働きやすさは変わります。
だからこそ、仕事が続かなかったときは、自分の能力だけを疑うのではなく、職場環境との相性も振り返ってみてほしいと思います。
転職5回の私が気づいた、続かなかった職場と続いた職場の違い
私はこれまでに5回の転職を経験してきました。
24歳のときには、入社した会社を3か月で辞めています。
一方で、その後には8年ほど働いた職場も、15年ほど働いた職場もあります。
同じ人間なのに、3か月しか続かなかった仕事もあれば、何年も続けられた仕事もある。
この違いは、いったい何だったのでしょうか。
振り返ってみると、私の場合は、仕事の種類以上に**「自分に合った働き方ができるかどうか」**が大きかったように思います。
短期間で辞めた職場で苦しかったこと
24歳のときに入社した会社では、飛び込み営業をしていました。
初めて訪問する相手に声をかけ、商品やサービスを案内する。
断られることも珍しくありません。
営業の仕事ですから、断られること自体は仕方のないことです。
でも、当時の私は、一つひとつの反応を重く受け止めていました。
相手が迷惑そうにしていると、「自分が嫌な思いをさせてしまったのではないか」と考えてしまう。
断られると、仕事上の結果であるはずなのに、自分自身を否定されたような気持ちになる。
そんなことを繰り返しているうちに、仕事へ向かうことが苦しくなっていきました。
もちろん、営業のやり方を工夫したり、経験を積んだりすることで、変えられた部分もあったかもしれません。
ただ、当時の私には、そこまで気持ちを立て直す余裕がありませんでした。
そして、3か月で退職しました。
当時は「自分には営業が向いていないのかもしれない」と思いました。
でも、今振り返ると、少し違った見方をしています。
営業という仕事が合わなかったのではなく、飛び込み営業という働き方が、当時の私には合っていなかったのかもしれません。
長く働けた職場に共通していたこと
その後、私は別の会社でも営業の仕事を続けました。
そして、8年ほど、15年ほどと、長く働くことができた職場もありました。
もちろん、長く働いた会社でも、つらいことがなかったわけではありません。
お客様から厳しいことを言われる日もあれば、仕事が重なって余裕をなくすこともありました。
それでも、短期間で辞めた職場とは違う部分がありました。
それは、仕事を進める中で、自分なりの工夫を積み重ねられたことです。
営業の経験が増えるにつれて、お客様との関係の築き方や、仕事の段取りを少しずつ考えられるようになりました。
何でも一人で抱え込むのではなく、周囲と相談しながら進めることの大切さも学びました。
また、年齢を重ねる中で、私自身の仕事に対する考え方も変わってきました。
以前は、周囲から「できる営業マン」と思われることを大切にしていました。
でも今は、それ以上に、無理なく仕事を続けられることを大切にしています。
長く働けた理由を、職場環境だけで説明することはできません。
経験を積んだことも、自分の考え方が変わったことも、影響していると思います。
それでも、少なくとも私の場合は、自分なりの仕事の進め方を見つけられる環境が、長く働くうえで大切だったと感じています。
職種よりも働く環境が大切だった
「HSPに向いている仕事は何だろう」
仕事が続かないと、そんなふうに考えることがあります。
私も、仕事がうまくいかなかったときには、自分に向いている職種を探そうとしました。
でも、転職を繰り返してきた今は、職種だけで仕事の向き・不向きを判断するのは難しいと感じています。
例えば、同じ営業でも、飛び込み営業と既存のお客様を担当する営業では、働き方が大きく違います。
同じ事務職でも、一人で集中して進める仕事と、電話や来客への対応が頻繁に入る仕事では、求められることが違います。
つまり、職種の名前が同じでも、実際の働きやすさは職場によって変わるということです。
私が次の職場を選ぶなら、職種だけでなく、次のようなことも確認したいと思います。
- どのような人間関係の中で働くのか
- 自分のペースで仕事を進められる余地があるか
- 困ったときに相談できる相手がいるか
- 無理な働き方が当たり前になっていないか
- 自分の得意なことを活かせる仕事か
もちろん、すべての条件がそろった職場を見つけるのは簡単ではありません。
でも、自分にとって譲れない条件を知っておくだけでも、仕事選びの基準は変わります。
私が5回の転職を通じて感じたのは、「向いている職種」を探すことと同じくらい、「続けやすい環境」を探すことが大切だということです。
仕事が続かなかった経験は、決して気持ちのよいものではありません。
でも、その経験を振り返ることで、自分がどんな環境で苦しくなり、どんな環境なら働きやすいのかが、少しずつ見えてくることもあります。
もし今、仕事が続かないことで悩んでいるなら、これまでの職場を思い出してみてください。
「どんな仕事が嫌だったか」だけでなく、「どんなときは少し働きやすかったか」。
その両方に、これからの働き方を考えるヒントが隠れているかもしれません。

今の仕事を少しでも続けやすくする5つの対策
仕事が続かないことで悩んでいると、「もっと我慢強くならなければ」「自分を変えなければ」と考えてしまうことがあります。
でも、仕事を続けるために必要なのは、必ずしも自分を追い込むことではありません。
私自身、以前は「できる営業マン」でありたいと思い、できるだけ多くの仕事を引き受けていました。
しかし、無理を重ねる働き方は、長く続けるには苦しいものでした。
今は、頑張る量を増やすよりも、仕事の進め方や環境を少しずつ整えることを大切にしています。
ここでは、今の職場で試せる5つの対策を紹介します。
すべてを一度に実践する必要はありません。
できそうなことを、一つ選ぶところから始めてみてください。
1.何がつらいのかを具体的に書き出す
「仕事がつらい」
そう感じていても、何がつらいのかを説明するのは、意外と難しいものです。
仕事内容が合わないのか。
人間関係に疲れているのか。
それとも、仕事量が多すぎるのか。
原因がはっきりしないままだと、「この仕事そのものが自分に向いていない」と考えてしまうことがあります。
そんなときは、つらいと感じた場面を簡単に書き出してみるのがおすすめです。
例えば、こんな具合です。
- 朝の会議で突然意見を求められると緊張する
- 電話が何度も鳴ると、作業に集中できなくなる
- 上司の機嫌が悪いと、一日中気になってしまう
- 急な仕事が重なると、何から手をつければよいか分からなくなる
- お客様から強い口調で言われると、帰宅後も引きずってしまう
こうして書き出すと、「仕事のすべてがつらいわけではない」と気づくこともあります。
例えば、営業の仕事は嫌いではないけれど、飛び込み営業が苦手なのかもしれません。
お客様とのやり取りは好きだけれど、社内の人間関係に疲れているのかもしれません。
「仕事がつらい」を「何がつらい」に変える。
それだけでも、次に考えることが少し具体的になります。
2.一人で落ち着ける時間を確保する
職場では、周囲に気を配りながら過ごす時間が多くなりがちです。
お客様への対応、上司への報告、同僚との打ち合わせ。
一つひとつは必要な仕事でも、気を張る時間が続くと疲れてしまうことがあります。
そんなときは、一日の中に少しだけ、一人で落ち着ける時間をつくってみてください。
例えば、昼休みに静かな場所で過ごす。
仕事の合間に席を離れて、飲み物を買いに行く。
可能であれば、集中して作業する時間を予定に入れておく。
ほんの数分でも、周囲への気遣いから離れられる時間があると、気持ちを切り替えやすくなることがあります。
もちろん、職場によっては自由に休憩を取れない場合もあるでしょう。
そんなときは、決められた休憩時間をできるだけ自分のために使うだけでも構いません。
誰かと話すことで元気になる人もいれば、一人で過ごすことで落ち着く人もいます。
大切なのは、自分に合った休み方を知ることです。
3.仕事を抱え込みすぎない
以前の私は、仕事を頼まれると、できるだけ断らないようにしていました。
「期待に応えたい」
「自分がやったほうが早い」
「断ったら、できない人だと思われるかもしれない」
そんな気持ちがあったのだと思います。
でも、引き受ける仕事が増えるほど、時間にも気持ちにも余裕がなくなっていきます。
そして、余裕がなくなると、普段なら気にならないことにも疲れを感じやすくなります。
今は、仕事を引き受ける前に、少し考えるようにしています。
「いつまでに必要な仕事なのか」
「今やっている仕事と、どちらを優先すべきなのか」
「本当に自分が担当する必要があるのか」
例えば、急な仕事を頼まれたときには、
「今、別の案件を進めています。どちらを優先すればよいでしょうか?」
と確認するだけでも、状況が変わることがあります。
仕事を断るのが難しい場合でも、優先順位を相談することはできます。
何でも引き受けることと、責任を持って仕事をすることは、同じではありません。
長く働くためには、自分が無理なく対応できる範囲を知ることも大切だと思います。
4.自分のペースで働ける仕組みをつくる
仕事が忙しくなると、目の前のことに追われてしまいがちです。
メールを確認していたら電話が鳴る。
電話が終わったら、今度は急ぎの依頼が入る。
気づけば、一日中動き回っていたのに、予定していた仕事が終わっていない。
私も、そんな働き方をしていた時期がありました。
そこで意識するようになったのが、仕事をできるだけシンプルにすることです。
例えば、次のような工夫です。
- 朝、今日やる仕事を3つだけ決める
- 急ぎの仕事と、後でもよい仕事を分ける
- 同じ種類の作業を、できるだけまとめて進める
- やることを頭の中だけで覚えず、メモに残す
- 一日の予定に、少し余裕を持たせる
もちろん、お客様の都合や急な依頼もあるので、予定どおりに進まない日もあります。
それでも、仕事の進め方に自分なりのルールがあると、慌てずに対応しやすくなります。
以前の私は、忙しく働いていることに、どこか満足感を覚えていたように思います。
でも今は、忙しさそのものを目標にしなくなりました。
仕事をたくさん抱えることより、必要な仕事を無理なく終えられること。
そのほうが、結果として長く働き続けられるのではないかと感じています。
5.上司や周囲に相談して環境を調整する
自分なりに工夫しても、仕事のつらさが変わらないことがあります。
例えば、仕事量が多すぎる場合や、担当業務が自分に合っていない場合です。
そんなときは、一人で解決しようとせず、上司や周囲に相談することも選択肢になります。
ただ、「仕事がつらいです」と伝えるだけでは、相手も何を変えればよいのか分からないかもしれません。
そこで、できるだけ具体的に伝えることをおすすめします。
例えば、
「電話対応が重なると資料作成が進まないので、午前中に集中できる時間を確保したいです」
「今の業務量では納期が重なってしまうので、優先順位を相談させてください」
「この業務はまだ経験が浅いので、進め方を一度確認していただけませんか」
といった伝え方です。
すべての希望が通るとは限りません。
また、相談しにくい職場もあるでしょう。
それでも、具体的に困っていることを伝えることで、仕事の分担や進め方を見直せる場合があります。
もし直属の上司に相談しにくければ、人事担当者や社内の相談窓口など、別の相談先を検討してもよいと思います。
ただし、ハラスメントなどがあり、相談することで不利益を受けるおそれがある場合は、無理に本人や直属の上司へ伝える必要はありません。
安全に相談できる窓口を選んでください。
仕事を続けるために、自分一人が変わらなければいけないわけではありません。
自分の工夫で変えられることと、職場に相談して変えていくこと。
その両方を考えてみることが大切だと思います。
もし、どれから始めればいいか迷ったら、まずは「何がつらいのかを具体的に書き出す」ことから始めてみてください。
いきなり職場環境を変えたり、上司に相談したりするのは、難しいこともあります。
でも、自分が疲れた場面を一つメモするだけなら、今日からでも始められるかもしれません。
全部を変えようとしなくていい。まずは、自分の負担を一つ知ることから。
それも、仕事を続けやすくするための小さな一歩だと思います。
ここまで5つの対策を紹介しました。
ただし、どれだけ工夫しても、今の職場で働き続けることが難しい場合もあります。
そんなときまで、無理に「続けなければ」と考える必要はありません。
次の章では、仕事を続けるべきか、辞めるべきか迷ったときに考えたいことを整理していきます。
仕事を続けるべきか、辞めるべきか迷ったとき
「今の仕事を、もう少し続けたほうがいいのかな」
「でも、このまま働き続けるのはつらい」
仕事が続かないことに悩んでいると、こんな気持ちの間で揺れることがあります。
私も24歳のとき、入社して3か月で会社を辞める際には、ずいぶん迷いました。
当時は「石の上にも三年」という言葉が、今よりもずっと重く感じられた時代です。
せめて3年は続けなければ、次の会社でも通用しないのではないか。
そんな不安もありました。
でも、転職を5回経験した今は、仕事を続けた期間だけで、その人の価値や努力を判断することはできないと思っています。
もちろん、仕事を続けることで身につく経験や信頼もあります。
一方で、無理を重ねることが、必ずしも将来のためになるとは限りません。
大切なのは、何年続けたかという数字だけではなく、今の職場で働き続けることが、自分にとってどんな意味を持つのかを考えることではないでしょうか。
無理を続けないほうがよいサイン
仕事には、多少の緊張やストレスがつきものです。
新しい仕事を覚えるときや、難しい案件を担当するときには、誰でも負担を感じることがあります。
ただし、負担が大きくなりすぎている場合は注意が必要です。
例えば、次のような状態が続いていないでしょうか。
- 仕事のことが気になり、夜になっても眠れない
- 朝になると、強い不安や憂うつを感じる
- 休日も仕事のことが頭から離れず、休んだ気がしない
- 食欲が落ちたり、疲れがなかなか取れなかったりする
- 以前は楽しめていたことにも、気持ちが向かなくなる
- 職場での威圧的な言動やハラスメントに苦しんでいる
こうした状態があるからといって、必ずしも退職しなければならないわけではありません。
ただ、「自分が弱いからだ」と片づけて、無理を続けることはおすすめできません。
心身の不調が続く場合は、医療機関や産業医などに相談することも大切です。
必要に応じて休暇や休職制度を利用することも、選択肢の一つです。
仕事を続けるために、自分の健康まで犠牲にする必要はありません。
「もう少し頑張れるか」だけでなく、「このまま続けても大丈夫か」という視点も持ってほしいと思います。
辞める前に確認しておきたいこと
仕事がつらくなると、「辞めれば、この苦しさから解放されるかもしれない」と考えることがあります。
実際、職場を離れることで負担が軽くなる場合もあります。
ただ、退職には生活や収入への影響もあるため、可能であれば辞める前に整理しておきたいことがあります。
私なら、次の3つを考えます。
1.今の仕事の何がつらいのか
仕事内容なのか、人間関係なのか、仕事量なのか。
例えば、営業そのものが嫌なのか、飛び込み営業という働き方が苦しいのかでは、次に選ぶ仕事も変わります。
2.今の職場で変えられることはないか
業務量の調整、担当変更、異動、働く時間の見直しなど、今の会社に残りながら環境を変えられる可能性もあります。
もちろん、会社の事情によって難しい場合もあるでしょう。
3.辞めたあとの生活をどうするか
転職活動を始めるのか、少し休むのか。
収入が途切れた場合、生活費をどのくらい確保できるのか。
こうしたことを整理しておくと、退職後の不安を少し減らせるかもしれません。
ただし、ハラスメントや深刻な心身の不調がある場合は、すべてを準備してからでなければ辞められない、と考える必要はありません。
安全や健康を優先し、信頼できる相談先の力を借りることも大切です。
辞める前に考えることは、辞めるのを我慢するためではありません。
辞めるにしても、残るにしても、自分が納得できる選択をするためです。

転職だけが選択肢ではない
仕事がつらいとき、頭に浮かびやすいのは「転職」という選択肢です。
私自身、これまでに5回転職してきました。
環境を変えたことで、新しい経験ができたこともあります。
一方で、年齢を重ねた今は、転職だけが答えではないとも感じています。
例えば、こんな選択肢があります。
- 今の会社で、仕事の進め方を変えてみる
- 上司や人事担当者に相談し、業務内容や配置の変更を検討する
- 休暇や休職制度を利用して、心身を休める
- 今の会社で働きながら、転職活動を始める
- キャリア相談を利用して、今後の働き方を整理する
- 退職して、環境を変える
どれが正解かは、その人の状況によって違います。
私も以前、仕事のことで悩み、外部のキャリア相談を利用したことがあります。
そのときは、自分の状況を話しながら、何が負担になっているのか、今後どう働きたいのかを整理することができました。
そして最終的には、転職せず、今の会社に残ることを選びました。
相談したからといって、必ず転職しなければならないわけではありません。
誰かに話してみることで、今まで見えていなかった選択肢に気づくこともあります。
もちろん、相談だけで職場の問題が解決するとは限りません。
それでも、一人で考え続けているときとは、少し違った視点が得られるかもしれません。
仕事が続かないことで悩んでいると、「今度こそ辞めてはいけない」と自分を追い込んでしまうことがあります。
でも、無理に続けることだけが正解ではありません。
反対に、つらいからといって、必ず辞めなければならないわけでもありません。
続ける、休む、変える、相談する、辞める。
選択肢は、一つではないのだと思います。
もし、今の仕事を続けるか、転職するか、一人では決められないと感じているなら、第三者に相談してみるのも一つの方法です。
私自身、キャリア相談を利用した結果、転職せずに今の会社に残ることを選びました。
キャリア相談は、必ずしも転職するためだけのものではありません。
今の会社に残ることも含めて、自分の働き方を整理する機会として考えてみてもいいと思います。
次の職場で同じことを繰り返さないために
「次の会社でも、また続かなかったらどうしよう」
仕事を辞めることを考えたとき、こんな不安を感じる人もいると思います。
私も転職を繰り返してきたので、その気持ちはよく分かります。
せっかく新しい会社に入っても、また同じようにつらくなってしまうのではないか。
そう考えると、次の一歩を踏み出すのが怖くなりますよね。
でも、これまでの経験を振り返ることで、次の職場選びに活かせることもあります。
大切なのは、過去の退職を「失敗だった」で終わらせないことです。
続かなかった理由を次の職場選びに活かす
転職を5回経験した私が、今になって大切だと感じていることがあります。
それは、「何が嫌だったか」だけでなく、「どんな環境なら働きやすかったか」も振り返ることです。
例えば、私の場合、24歳のときに経験した飛び込み営業は、強いストレスを感じる働き方でした。
でも、その後も営業の仕事を続けることができました。
この経験から、営業という職種そのものが合わなかったわけではないと気づきました。
同じ営業でも、仕事の進め方やお客様との関わり方によって、感じる負担は違います。
そこで、過去の職場を振り返るときは、次の3つに分けて考えてみるのがおすすめです。
1.つらかったこと
- 突然の予定変更が多かった
- 上司の顔色を気にすることが多かった
- 断られる場面が続き、気持ちの切り替えが難しかった
2.働きやすかったこと
- 自分で仕事の段取りを考えられた
- お客様と時間をかけて関係を築けた
- 困ったときに相談できる人がいた
3.次の職場で大切にしたいこと
- 仕事の進め方に、ある程度の裁量がある
- 一人で抱え込まずに相談できる
- 無理な働き方が当たり前になっていない
これは、私の経験をもとにした一例です。
人によって、働きやすい条件は違います。
静かな環境が必要な人もいれば、人と話す時間が多いほうが働きやすい人もいるでしょう。
大切なのは、世間で「働きやすい会社」と言われているかどうかだけでなく、自分にとって働きやすいかどうかです。
仕事が続かなかった経験にも、次の職場を選ぶためのヒントが隠れていると思います。
求人票だけでなく職場環境を確認する
転職活動では、給与や休日、勤務地などの条件に目が向きやすいものです。
もちろん、どれも大切な条件です。
でも、仕事を長く続けることを考えるなら、実際の職場環境にも目を向けたいところです。
例えば、同じ「営業職」という求人でも、仕事内容は会社によって違います。
新規のお客様への営業が中心なのか。
既存のお客様との関係づくりが中心なのか。
個人で数字を追う仕事なのか、チームで協力する仕事なのか。
こうした違いによって、働きやすさは大きく変わります。
私なら、面接などで次のようなことを確認したいと思います。
- 一日の仕事は、どのような流れで進みますか?
- 入社後は、どのように仕事を覚えていきますか?
- 困ったときに相談できる体制はありますか?
- 急な仕事が入った場合、優先順位はどのように決めますか?
- チームで協力する仕事と、個人で進める仕事はどのくらいありますか?
すべてを質問する必要はありません。
自分が過去につらいと感じたことに関係する項目を、いくつか確認できれば十分です。
また、求人票や面接だけで、職場のすべてが分かるわけではありません。
可能であれば、職場見学や実際に働く人との面談など、職場の雰囲気を知る機会も活用するとよいでしょう。
それでも、入社して初めて分かることはあります。
だからこそ、完璧な会社を探そうとするよりも、自分にとって譲れない条件を明確にしておくことが大切なのだと思います。
転職を繰り返した経験があると、「次こそ絶対に失敗できない」と考えてしまうかもしれません。
でも、その気持ちが強すぎると、かえって身動きが取れなくなることもあります。
私自身、5回の転職を経験してきましたが、最初から自分に合う働き方が分かっていたわけではありません。
働いてみて、合わないと感じたこともあります。
一方で、長く続けられた仕事もありました。
その積み重ねの中で、少しずつ自分の働き方が見えてきたのだと思います。
次の職場では、前より少し、自分に合う条件を選べるようになる。
そんな考え方でも、いいのではないでしょうか。

自分に合う仕事の条件を、もう少し整理したい方へ
仕事が続かなかった理由が少し見えてきたら、次は「どんな条件なら続けやすいのか」を考えてみるのも一つの方法です。
別の記事では、私自身の転職5回・営業20年以上の経験をもとに、無理なく働き続けるための6つの条件を紹介しています。
関連記事: HSPにとって「現実的な適職」とは?転職5回・営業20年の私がたどり着いた仕事選び
適職を一度で見つけようとせず、自分が続けやすい条件を一つずつ整理する参考にしてみてください。
まとめ|仕事が続かなかった経験も、これからの選択に活かせる
HSP気質があり、仕事が続かないことに悩んでいると、「自分は甘えているだけなのでは」と考えてしまうことがあります。
でも、仕事が続かなかったという結果だけで、その人の努力や価値が決まるわけではありません。
この記事では、仕事が続けにくいと感じる理由や、少しでも働きやすくするための方法を紹介してきました。
大切なポイントを振り返ると、次の5つです。
- 仕事が続かない理由は、甘えや根性だけでは説明できない
- 仕事内容だけでなく、人間関係や職場環境との相性も大切
- 今の職場でも、仕事の進め方を変えられる場合がある
- 無理に続けることだけが正解ではない
- 続かなかった経験も、次の職場選びに活かせる
私自身、これまでに5回の転職を経験してきました。
24歳のときには、入社した会社をわずか3か月で退職しています。
当時は、そんな自分を情けなく思ったこともありました。
でも、その後には長く働けた職場もありました。
振り返ってみると、仕事が続かなかった経験も、自分に合う働き方を考えるきっかけになっていたのだと思います。
もちろん、転職を繰り返すことが、いつもよい結果につながるとは限りません。
だからこそ、今の職場で変えられることがあるのか、環境を変えたほうがよいのか、一つずつ考えていくことが大切です。
そして、もう一つ。
仕事を長く続けるために、自分を追い込み続ける必要はない。
これは、今の私が大切にしている考え方です。
昔の私は、もっと頑張らなければ、もっと成果を出さなければと、自分を追い込んでいました。
でも今は、頑張れる方法よりも、続けられる方法を選びたいと思っています。
もし、これまで仕事が続かなかったとしても、その経験だけで自分の未来を決めつけなくて大丈夫です。
次は、前より少し、自分に合う働き方を選べるかもしれません。
そして、思いどおりにいかない日があっても、
「まぁ、しゃーないっすね。」
そんなふうに、自分に声をかけられたらいいですね。
