「今度こそ、長く続けよう。」
転職するたびに、
そう思っていました。
新しい会社に入る。
最初は、
「ここなら大丈夫かもしれない」
と思う。
でも、しばらくすると、
だんだん仕事がつらくなる。
そして、
また転職を考える。
私自身、
これまで5回転職しています。
だから、
「また続かなかった」
「自分はどこへ行ってもダメなんじゃないか」
と思ってしまう気持ちは、
少し分かるつもりです。
でも、
5回転職した今、一つ気づいたことがあります。
私は転職するたびに、
「どの会社へ行くか」
は一生懸命考えていました。
でも、
「自分は、どんな働き方をすると疲れるのか」
については、
あまり考えていませんでした。
会社は変わった。
仕事内容も変わった。
人も変わった。
それなのに、
自分が苦しくなるパターンは、
どこか似ていたんです。
今振り返ると、
次の会社を探す前に知っておいたほうがよかったのは、
会社のことだけではなく、
自分自身の「疲れ方」だったのかもしれません。
この記事では、
5回の転職を振り返りながら、
なぜ転職を繰り返してしまったのか。
そして、
次の仕事を選ぶ前に、
何を考えておけばよかったのか。
私なりに書いてみたいと思います。
転職を繰り返した過去は、
変えられません。
でも、
その経験を、
ただの「失敗」にしなくてもいい。
振り返ってみると、
そこには、
「自分が続けられる働き方」を知るヒントが、
ちゃんと残っていました。
HSPだから転職を繰り返す、とは限らない
「転職を繰り返すのは、
HSPだからなのかな」
私も、
そんなふうに考えたことがあります。
人間関係に疲れやすい。
周りの空気が気になる。
急な仕事が重なると、
頭がいっぱいになる。
人から頼まれると、
なかなか断れない。
こういうことが重なると、
仕事そのものより、
毎日会社にいることに疲れてしまいます。
だから、
「もっと自分に合う会社なら、
うまくいくかもしれない」
と思う。
そして、
転職する。
もちろん、
環境を変えることで、
楽になることはあります。
実際、
私も長く続かなかった会社もあれば、
長く働けた会社もあります。
だから、
転職そのものが悪いとは思っていません。
ただ、
何度か転職しても、
同じようにつらくなるなら、
「次はどの会社にするか」
だけではなく、
「自分は、どんなときにつらくなるのか」
を一度振り返ってみてもいいと思います。
会社が違っても、疲れるところは似ていた
私の場合、
転職するたびに、
会社は変わりました。
仕事内容も、
人間関係も変わりました。
でも、
振り返ってみると、
疲れるところには、
似た部分がありました。
急な仕事が重なる。
いろいろな人から、
同時に頼まれる。
相手の反応を、
必要以上に気にする。
「ちゃんとやらなきゃ」
と仕事を抱える。
自分のペースで、
仕事を進められなくなる。
会社は違うのに、
同じようなところで疲れていたんです。
それなのに私は、
「この会社が合わなかった」
で終わらせて、
また次の会社を探していました。
今思えば、
会社選びの前に、
自分が疲れる条件を知っておく必要があったんだと思います。
「辞めた理由」より、「疲れた理由」を振り返ってみる
転職を振り返るとき、
「なぜ辞めたのか」
は考えると思います。
給料が低かった。
人間関係が悪かった。
仕事内容が合わなかった。
残業が多かった。
もちろん、
それも大切です。
でも、
もう一歩だけ掘ってみる。
「その職場の、
何が一番しんどかったんだろう?」
と考えてみるんです。
人間関係なら、
人と関わること自体が嫌だったのか。
苦手な上司がいたのか。
常に周囲へ気を使う環境が、
しんどかったのか。
仕事なら、
仕事内容そのものが嫌だったのか。
急な対応が多いことが、
しんどかったのか。
マルチタスクが、
しんどかったのか。
同じ「仕事が合わなかった」でも、
中身は違います。
ここを少し細かくすると、
自分が次に避けたいものが、
見えてきます。
転職回数は、「合わなかった条件」の記録でもある
転職回数が増えると、
どうしても、
その数字が気になります。
1回。
2回。
3回。
そして、
私のように5回。
履歴書を見るたびに、
「多いな……」
と思うこともあります。
でも、
今は少し違う見方もしています。
5回転職したということは、
5回分、
「自分には何が合わなかったのか」
を経験してきたということでもあります。
もちろん、
できれば経験しなくてよかったこともあります。
遠回りだったとも思います。
でも、
もう経験してしまったのなら、
その経験を、
次の仕事選びに使えばいい。
転職回数を、
ただのマイナスとして数えるのではなく、
「自分が続けられる条件」を探すための材料にする。
そう考えると、
過去の転職の見え方も、
少し変わってくると思います。
5回転職した私が、もっと早く気づきたかったこと
5回の転職を振り返ると、
「あの転職は正解だった」
「あれは失敗だった」
と、
簡単には分けられません。
辞めたからこそ、
次に進めた会社もあります。
反対に、
もう少し違う働き方を考えていれば、
辞めなくてもよかったのかな、
と思うこともあります。
ただ、
今だから分かることはあります。
もし、
転職を考えていたころの自分に会えるなら、
「次はもっといい会社を探せ」
より先に、
伝えたいことがあります。
① 「できる仕事」と「続けられる仕事」は違う
私は営業職として、
長く働いてきました。
仕事として、
できることも増えました。
お客さんと話す。
見積もりを作る。
社内を調整する。
トラブルに対応する。
経験を重ねれば、
できるようになることはあります。
でも、
ここで一つ、
見落としていたことがありました。
**できることと、
疲れずに続けられることは、
同じではない。**
できる。
周りからも、
それなりに評価される。
でも、
毎日ものすごく疲れる。
家に帰ったら、
何もする気になれない。
休日は、
仕事の疲れを取るだけ。
それでも、
「できているんだから、
向いているんだろう」
と思っていました。
でも、
長く働くなら、
「できるか」だけではなく、
「この働き方を続けられるか」
も見たほうがいい。
私は、
もっと早くそこに気づきたかったです。
② 会社を変えれば、全部変わるわけではなかった
仕事がつらくなると、
「この会社が合わないんだ」
と思うことがあります。
だから、
会社を変える。
すると、
最初は新鮮です。
人も変わる。
仕事内容も変わる。
会社の雰囲気も変わる。
「今度こそ、
大丈夫かもしれない」
と思う。
でも、
しばらくすると、
また似たようなところで、
疲れている自分がいました。
もちろん、
会社によって働きやすさは違います。
環境を変えたほうがいい場合も、
あります。
でも、
**自分が何に疲れるのかを知らないまま転職すると、
違う会社で同じしんどさに出会うことがある。**
これは、
何度か転職して、
ようやく分かったことです。
③ 苦手を克服すれば、楽になると思っていた
私は以前、
苦手なことがあると、
「できるようにならなきゃ」
と考えるほうでした。
人とのやり取りが苦手なら、
もっとコミュニケーションを頑張る。
仕事が重なると混乱するなら、
もっと要領よくなる。
人の反応が気になるなら、
もっと気にしない人間になる。
そうやって、
自分を仕事に合わせようとしていました。
もちろん、
できるようになったこともあります。
でも、
全部の苦手を、
克服する必要はなかったんですよね。
苦手なことを、
毎日何度も求められる環境より、
苦手なことが、
それほど大きな問題にならない環境を選ぶ。
そのほうが、
長く続けられることもあります。
**自分を変えることだけが、
仕事を続ける方法ではない。**
環境のほうを選ぶ。
今は、
それも大切だと思っています。
④ 「向いている仕事」より、「疲れにくい条件」を知っておけばよかった
転職するとき、
私も求人を見ました。
仕事内容。
給料。
勤務地。
休日。
会社の規模。
もちろん、
どれも大切です。
でも、
今ならもう一つ見ます。
自分が疲れにくい働き方ができるか。
たとえば、
急な割り込みは多いのか。
一人で集中できる時間はあるのか。
複数の仕事を、
常に同時進行する必要があるのか。
自分で仕事の順番を決められるのか。
人間関係は、
どのくらい複雑なのか。
同じ職種でも、
ここが違えば、
働きやすさは変わります。
だから今は、
「HSPに向いている仕事は何だろう」
と職種名だけを探すより、
「自分は、どんな条件なら続けやすいんだろう」
と考えるほうが、
現実的だと思っています。
⑤ 転職する前に、「今の会社で変えられること」も考えればよかった
これは、
今だから思うことです。
仕事がつらくなると、
「残るか、辞めるか」
の二択になりがちです。
でも、
その間にも選択肢はあります。
担当を変える。
仕事量を相談する。
やり方を変える。
異動を考える。
苦手な仕事を、
少し減らせないか相談する。
もちろん、
会社によっては、
そんなことが難しい場合もあります。
それでも、
転職する前に、
「この会社の中で、
何か一つ変えられないかな」
と考えてみる。
それで楽になるなら、
転職しなくてもいいかもしれません。
私は転職を否定しません。
5回転職したからこそ、
環境を変えることで、
救われることも知っています。
でも、
**転職だけが、
環境を変える方法ではない。**
これも、
もっと早く知っておきたかったことです。
5回の転職で、ようやく見えてきたこと
5回転職して、
ようやく分かってきたのは、
「最高の会社」を探せばいいわけではない、
ということでした。
完璧な職場は、
たぶんありません。
どこへ行っても、
嫌なことはある。
苦手な人もいる。
面倒な仕事もある。
だったら、
全部が理想の会社を探すより、
**自分にとって致命的にしんどいものが、
少ない場所を探す。**
そのほうが、
私には現実的でした。
転職を5回したことを、
今でも、
「よかったこと」
とまでは思いません。
遠回りしたな、
と思うこともあります。
でも、
その遠回りがあったから、
「自分は、
何なら続けられそうか」
を少しずつ考えられるようになりました。
だから、
もし今、
「また転職したくなっている」
「また続かなかった」
と悩んでいるなら、
すぐに次の会社を探す前に、
これまでの仕事を、
一度振り返ってみてほしいんです。
うまくいかなかった理由だけではなく、
意外と続けられたこと。
それほど疲れなかった仕事。
逆に、毎回しんどくなったこと。
そこに、
次の仕事を選ぶヒントが、
残っているかもしれません。
次の転職先を探す前に、3つだけ書き出してみる
転職したくなると、
つい求人サイトを開きたくなります。
今より給料がいい会社。
休みが多い会社。
興味のある仕事。
条件を見比べながら、
「次こそは」
と思う。
私も、
そうやって次の会社を探してきました。
でも、
もし今の私が、
もう一度転職するなら、
求人を見る前に、
少しだけ時間を取ると思います。
難しい自己分析ではありません。
紙でも、
スマホのメモでもいい。
これまでの仕事を思い出しながら、
次の3つを書いてみます。
① 毎回しんどくなったこと
まずは、
これまでの職場で、
「これはしんどかったな」
と思うことを書いてみます。
たとえば、
急な仕事が多かった。
電話対応が続くと疲れた。
いくつもの仕事を、
同時に進めるのがしんどかった。
人間関係に、
いつも気を使っていた。
数字に追われ続けるのが、
苦しかった。
ここで大切なのは、
「自分はダメだった」
と書かないことです。
そうではなく、
「何があると、自分は疲れやすかったのか」
を探します。
もし、
違う会社でも同じことが出てくるなら、
それは次の仕事を選ぶときに、
かなり大切なヒントになります。
② 意外と続けられたこと
次は反対です。
これまでの仕事の中で、
「これは、
それほど嫌じゃなかったな」
と思うことを探してみます。
得意なことでなくても、
かまいません。
ものすごく好きなことでなくても、
いい。
一人で資料を作る時間は、
意外と苦にならなかった。
お客さんの話を、
じっくり聞くのは嫌いじゃなかった。
決まった相手とのやり取りなら、
比較的やりやすかった。
自分で予定を組める日は、
仕事がしやすかった。
こういう小さなことです。
適職というと、
「得意な仕事」
「好きな仕事」
を探したくなります。
でも、
長く働くことを考えるなら、
「意外と疲れずにできたこと」
も大切だと思います。
できることより、
続けられたこと。
そこにも、
次の仕事選びのヒントがあります。
③ 次の職場では避けたいこと
最後に、
「次は、
これだけは避けたい」
というものを考えます。
全部の希望がかなう会社を、
探す必要はありません。
でも、
自分が特にしんどくなるものを、
一つでも減らせないか。
たとえば、
常に新規開拓をする仕事は避けたい。
毎日残業する職場は避けたい。
電話が鳴り続ける環境は避けたい。
常に何個もの仕事を、
同時進行する働き方は避けたい。
自分一人で抱え込むような職場は、
できれば避けたい。
こうやって書いていくと、
「次は何の仕事をするか」
より先に、
「次は、どんな働き方を選びたいか」
が少し見えてきます。
「向いている仕事」が分からなくても大丈夫
ここまで考えても、
「じゃあ、
自分には何の仕事が向いているんだろう?」
までは、
分からないかもしれません。
でも、
私はそれでいいと思います。
いきなり、
一生続けられる仕事を、
見つけなくてもいい。
まずは、
疲れやすい条件。
比較的続けやすかった条件。
次は避けたい条件。
それが分かるだけでも、
以前とは違う仕事選びができます。
私自身、
5回転職して、
ようやく、
「向いている職種」だけではなく、
「続けやすい環境」から仕事を考えることが、
大切なんじゃないかと思うようになりました。
HSP傾向のある人にとって、
どんな仕事や環境なら続けやすいのか。
私自身の経験から、
別の記事でも詳しくまとめています。
▶ HSPにとって「現実的な適職」とは?転職5回・営業20年の私がたどり着いた仕事選び
次の会社を、
急いで決めなくてもいい。
まずは、
「自分は、
何なら続けられそうだろう」
と考えてみる。
転職を繰り返してきた経験も、
次の仕事を選ぶための材料にすればいい。
私は、そう思っています。
それでも、転職したほうがいいときはある
ここまで、
「次の会社を探す前に、
一度これまでの仕事を振り返ってみる」
という話をしてきました。
でも、
これは、
「転職しないほうがいい」
という意味ではありません。
私自身、
5回転職しています。
振り返ってみても、
「あのときは、
環境を変えてよかった」
と思う転職もあります。
どれだけ自分なりに工夫しても、
しんどい環境はあります。
仕事のやり方を変えても、
どうにもならないこともあります。
そんなときまで、
「自分が変わらなきゃ」
と頑張り続けなくてもいいと思います。
「残る」か「辞める」かの二択にしなくてもいい
仕事がつらくなると、
この会社で頑張る。
それとも、
辞める。
この二つしかないように、
感じることがあります。
でも、
その間にも、
選択肢はあります。
仕事のやり方を変えてみる。
上司に相談してみる。
担当を変えられないか考える。
異動という方法もある。
誰かに相談して、
自分では気づかなかった選択肢を探してみる。
それでも難しければ、
転職する。
大切なのは、
「転職すること」でも、
「今の会社に残ること」でもなく、
自分が少しでも続けやすい方向へ動くこと
だと思っています。
環境を変えることは、逃げではない
私は以前、
仕事が続かないと、
「自分の我慢が足りないんじゃないか」
と思うことがありました。
もう少し頑張れば。
もう少し慣れれば。
もう少し自分が変われば。
そう考えて、
無理をする。
でも、
5回転職して分かったのは、
頑張ることで、
どうにかなる職場もあれば、
環境を変えたほうが、
うまくいくこともあるということです。
実際、
短期間しか続かなかった会社もあれば、
同じ私なのに、
長く働けた会社もあります。
人が急に変わったわけではありません。
環境との相性は、
それくらい大きいんだと思います。
だから、
「また転職したら、
自分はダメなんじゃないか」
という理由だけで、
今の会社に残らなくてもいい。
ただ、
次に転職するときは、
「今の会社が嫌だから」
だけではなく、
「次は、どんな環境なら続けられそうか」
を一つでも持っておく。
それだけでも、
これまでとは違う転職になると思います。
転職活動そのものに疲れてしまう人へ
HSP傾向があると、
転職活動そのものが、
かなり疲れることもあります。
求人を比較する。
応募する。
履歴書を書く。
面接を受ける。
結果を待つ。
そして、
今の仕事を続けながら、
それを進める。
私自身も経験していますが、
転職活動は、
思っている以上にエネルギーを使います。
だから、
「早く今の会社を辞めたい」
という気持ちだけで、
一気に進めなくてもいいと思います。
HSPの転職活動については、
疲れすぎない進め方を、
別の記事にまとめています。
▶HSPの転職活動はなぜ疲れる?5回転職した私がやってきた「疲れすぎない進め方」
転職するかどうかは、
そのあと決めてもいい。
まずは、
今の自分に、
どんな選択肢があるのか。
それを知るところからでも、
遅くないと思います。
転職を繰り返した経験も、次の仕事を選ぶ材料になる
私自身、
これまで5回転職してきました。
振り返れば、
もっとこうすればよかったな、
と思うこともあります。
遠回りしたな、
と思うこともあります。
でも、
今になって思うのは、
5回の転職を、
全部「失敗」にしなくてもいい、
ということです。
続かなかった会社があった。
合わない仕事もあった。
しんどくなって、
環境を変えたこともあった。
でも、
その経験があったからこそ、
「自分は何に疲れやすいのか」
「どんな環境なら比較的続けやすいのか」
少しずつ、
分かるようになってきました。
転職を繰り返していると、
「次こそは、
絶対に失敗できない」
と思ってしまうかもしれません。
でも、
次の会社を完璧に選ぶことより、
これまでより一つでも、
自分が続けやすい条件を増やす。
それくらいからで、
いいんじゃないでしょうか。
急な仕事が少ない。
一人で集中できる時間がある。
自分で仕事の順番を決められる。
人間関係で、
必要以上に消耗しない。
そんな小さな条件でも、
長く働くことを考えれば、
大切なことだと思います。
もし今、
「また転職したくなっている」
「また続かなかった」
と悩んでいるなら、
すぐに、
次の会社を探さなくてもいい。
まずは、
これまでの仕事を振り返ってみる。
毎回しんどかったこと。
意外と続けられたこと。
次は避けたいこと。
そこに、
次の仕事を選ぶヒントが、
残っているかもしれません。
5回転職した私が、
今思うのは、
「もう転職を繰り返さないようにしよう」
ということより、
「次は、もう少し自分が続けやすい場所を選ぼう」
ということです。
過去の転職回数は、
変えられません。
でも、
その経験を、
次の選択に使うことはできます。
遠回りしたからこそ、
見えるものもある。
私も、
まだその途中です。
焦らず、
自分が続けられる働き方を、
少しずつ探していけばいい。
私は、
そう思っています。
