若い頃の私は、
自分の身体や気持ちについて、
あまり深く考えていませんでした。
多少寝不足でも、
なんとかなる。
疲れていても、
動き出せばなんとかなる。
予定が詰まっていても、
気合いで乗り切れる。
調子が悪ければ、
「もっと頑張らなきゃ。」
そんな感じでした。
自分に合わせて生活するというより、
自分のほうを、予定や仕事に合わせていた
のだと思います。
でも、
40代になった今、
少しずつ変わってきました。
何時間くらい眠れば、
翌朝気持ちよく起きられるのか。
予定をどのくらい入れると、
疲れてしまうのか。
どんなときに、
イライラしやすくなるのか。
どのくらい休めば、
また動きたくなるのか。
以前なら、
そんなことを考えるのは、
「自分に甘い。」
と思っていたかもしれません。
でも今は、
そうは思いません。
むしろ、
自分のことだからこそ、
知っておいたほうがいい。
無理やり自分を動かすのではなく、
今の自分が、気持ちよく動ける条件を知っておく。
それは、
自分を甘やかすことではなく、
今の自分とうまく付き合っていくこと。
長く働き、
そして、
できるだけ長く快適に暮らしていくためにも、
大切なことなのかもしれません。
若い頃は、自分を「気合い」で動かしていた
若い頃は、
調子がいい日も、
悪い日も、
あまり関係ありませんでした。
「やらなきゃいけないんだから、やる。」
眠い。
疲れた。
気分が乗らない。
そんな自分からのサインより、
仕事や予定のほうを優先していました。
そして、
思うようにできないときには、
「気合いが足りない。」
「努力が足りない。」
と思う。
でも、
若い頃は、
それでも何とかなっていたんですよね。
少しくらい寝不足でも、
翌日には動ける。
疲れていても、
気合いを入れれば、
もうひと頑張りできる。
だから、
そのやり方を、
あまり疑わなかったんだと思います。
「疲れたら休む」ではなく、
「疲れていても頑張る」。
それが、
当たり前になっていました。
今振り返ると、
ずいぶん自分に厳しい
取扱説明書だったなぁと思います(笑)。
しかも、
その取扱説明書を、
40代になっても、
ずっと使おうとしていました。
でも、
どうやら今の自分には、
少し合わなくなってきたようです。
40代になって、「無理すればできる」が危なくなった
40代になっても、
無理をすればできることはあります。
睡眠時間を削れば、
もう少し仕事ができる。
休みを減らせば、
予定をもう一つ入れられる。
頑張れば、
もう少し動ける。
だから、
「できるか、できないか」
だけで考えれば、
できるのかもしれません。
でも最近は、
もう一つ考えるようになりました。
「できるけど、そのあとどうなる?」
翌日ぐったりする。
余裕がなくなる。
家族にイライラする。
仕事の集中力が落ちる。
だったら、
「できるからやる」
だけではなく、
「気持ちよく続けられるか」
まで考えたほうがいい。
そんなふうに思うようになりました。
もうひと頑張りできそうでも、
あえて、
少し余力を残しておく。
予定をもう一つ入れられそうでも、
入れないでおく。
そうすると、
一日が終わったとき、
「疲れた……。」
だけではなく、
「今日はいい一日だったな。」
と思えることが増えた気がします。
たくさんできたから、
充実するとは限らないんですよね。
どれだけやったかより、
どんな気持ちで終われたか。
最近は、
そちらのほうを、
大切にしたいと思うようになりました。
無理すればできる。
でも、
あえてやらない。
それも、
今の自分を気持ちよく動かすための、
大切な判断なのかもしれません。
自分にも「調子よく動ける条件」がある
先日、
睡眠不足のまま家族で遊園地へ行って、
自分がいつもよりイライラしていることに気づきました。
そこで、
「俺、ただ疲れてるだけかも。」
と思ったんです。
この日の出来事から気づいた「疲れとイライラ」については、こちらの記事に書いています。
→ 「『なんかイライラする』は、疲れているだけかもしれない。」
考えてみれば、
人間にも、
調子よく動ける条件があります。
ちゃんと眠れている。
予定を詰め込みすぎていない。
少し一人になれる時間がある。
仕事がたまりすぎていない。
机の上がある程度片づいている。
焦らなくていい時間がある。
そんな条件が整っている日は、
仕事も、
家での時間も、
不思議とうまく回ります。
逆に、
寝不足だったり、
予定が詰まりすぎていたり、
頭の中がいろいろなことでいっぱいだったりすると、
いつもなら気にならないことまで、
気になってしまう。
以前の私は、
そんな日でも、
「もっと頑張らなきゃ。」
と思っていました。
でも、
自分がダメなのではなく、
ただ、調子よく動ける条件が整っていなかっただけ。
そんなふうに考えることも、
できるんですよね。
もちろん、
人によって条件は違います。
たくさん予定が入っているほうが、
調子のいい人もいる。
一人でいるより、
誰かと話したほうが元気になる人もいる。
だからこそ、
「一般的にはどうなのか」ではなく、
自分の場合はどうなのか。
それを、
少しずつ知っておく。
何をすると調子がいいのか。
何をすると疲れるのか。
どのくらい休めば、
また気持ちよく動けるのか。
そういう小さな発見を、
一つずつ集めていく。
それが、
「自分の取扱説明書」
なのだと思います。
「昔はできた」を基準にしない
これは、
私自身が気をつけたいことです。
「昔はもっと働けた。」
「昔はもっと動けた。」
「昔は少しくらい寝なくても平気だった。」
つい、
昔の自分を基準にしてしまいます。
そして、
昔できていたことが、
今できなくなっていると、
なんとなく、
自分が衰えたような気がしてしまう。
でも、
よく考えてみれば、
昔と今では、
身体も違う。
生活も違う。
背負っているものも違う。
仕事で求められることも、
家庭で考えることも、
あの頃より増えました。
だったら、
単純に比べること自体、
あまり意味がないのかもしれません。
昔の自分に戻ろうとするより、
今の自分を知る。
昔よりできなくなったことを数えるより、
今の自分なら、
どうすれば気持ちよく過ごせるのかを考える。
ちゃんと眠る。
予定を詰め込みすぎない。
疲れる前に、
少し休む。
一人で抱えすぎない。
そうやって、
今の自分に合ったやり方を、
少しずつ見つけていく。
それは、
若い頃には持っていなかった、
新しい力なのかもしれません。
昔の自分より、
たくさん動けなくてもいい。
今の自分で、
気持ちよく続けられる。
そちらのほうが、
これから先の人生には、
役に立つ気がしています。
昔の自分に戻ろうとするより、
今の自分の扱い方を知っておく。
それも、40代になって身についた
一つの知恵なのかもしれない。
自分の取扱説明書は、自分で更新していけばいい
もちろん、
「自分はこういう人間だ。」
と、
決めつける必要はありません。
取扱説明書は、
何度でも書き換えていい。
「最近は、このくらい寝たほうが調子いいな。」
「予定は詰めすぎないほうがいいな。」
「疲れた日は、一人でぼーっとする時間が必要だな。」
「朝のほうが、この仕事は進むな。」
そんな小さな発見を、
少しずつ追加していく。
そして、
合わなくなったら、
また変える。
去年は大丈夫だったことが、
今年は少ししんどくなることもある。
逆に、
昔は苦手だったことが、
今なら意外と楽しめることもある。
仕事が変われば、
生活も変わる。
家族の状況が変われば、
自分の時間の使い方も変わる。
そして、
年齢を重ねれば、
身体だって変わっていく。
だったら、
自分の取扱説明書も、
そのたびに更新していけばいいんですよね。
「自分はこうだから。」
と決めつけるのではなく、
「今の自分は、どうなんだろう?」
と、
ときどき確認してみる。
そうやって、
自分を観察していると、
少しずつ、
「こうすると調子がいい。」
「これは無理しないほうがいい。」
ということが、
分かるようになってきます。
だから、
自分の取扱説明書は、
完成しなくてもいい。
少し分かって、
また少し書き換える。
それくらいで、
ちょうどいいのかもしれません。
40代は、
自分を決めつける年齢ではなく、
自分との付き合い方が、少しずつ上手になる年齢
なのかもしれません。
自分を知ると、周りにも少し優しくなれる
そして、
自分の取扱説明書が分かってくると、
自分だけではなく、
周りの人への見方も、
少し変わる気がします。
自分にも、
調子のいい日と悪い日がある。
疲れていれば、
余裕がなくなることもある。
だったら、
相手にも、
その人なりの事情があるのかもしれない。
「なんでできないんだ。」
とすぐに決めつけるのではなく、
「今日は疲れているのかな。」
と思える。
自分を知ることは、
自分を甘やかすことではなく、
自分にも、人にも、少し優しくなること
なのかもしれません。
まとめ
若い頃は、
自分を気合いで動かしていました。
疲れていても、
「頑張れ。」
眠くても、
「大丈夫。」
できなければ、
「努力が足りない。」
でも今は、
少し違います。
疲れているなら、
休む。
眠いなら、
寝る。
予定を詰めすぎたら、
減らす。
一人でできなければ、
誰かに頼る。
そして、
自分が気持ちよく動ける状態に、
少しずつ戻していく。
昔のように動けなくなったことを、
嘆くだけではなく、
今の自分が、気持ちよく動ける条件を知っておく。
それが、
今の私にとっての
「自分の取扱説明書」
なのだと思います。
取扱説明書は、
「これはできない。」
と、
自分を制限するためのものではありません。
むしろ、
今の自分が、
気持ちよく働いて、
気持ちよく暮らしていくためのもの。
そして、
今の自分に合わなくなったら、
また書き換えればいい。
そうやって、
少しずつ、
自分との付き合い方を覚えていけばいいんですよね。
今日の気づき
昔より弱くなったのではなく、
今の自分との付き合い方が、
少しずつ分かってきた。
昔の自分に戻らなくてもいい。
今の自分には、
今の自分に合った動き方がある。
そう考えれば、
年齢を重ねるのも、
そんなに悪くないのかもしれません。
橘の気づきノート #018
