以前の私は、
何か問題が起きると、
まず動いていました。
とにかく急ぐ。
とにかく頑張る。
とにかく何とかする。
それが仕事だと思っていたからです。
でも最近、
少し考え方が変わりました。
まずは立ち止まる。
状況を見る。
本当に今動くべきなのかを考える。
その時間が、
結果的に一番の近道になることもある。
んなふうに思えるようになったのです。
頑張れば、何とかなると思っていた
若い頃の私は、
「努力は裏切らない。」
そう信じていました。
困ったことがあれば、
まず動く。
頼まれたら引き受ける。
分からなくても、
とりあえず始める。
考えるより、
動くことのほうが大切だと思っていました。
ちろん、
その姿勢が役に立ったこともあります。
でも、
振り返ってみると、
遠回りをしていたことも少なくありませんでした。
頑張っているのに、
成果につながらない。
そんなことも、
よくありました。
今思えば、
私は戦い方ではなく、
頑張り方だけを学んでいたのかもしれません。
「勝つ」のではなく頑張ることが目的になっていたのかもしれません…
頑張ることと、勝てることは違う。
戦う前に、立ち止まる
先日、
『超訳 孫子の兵法』を読んでいて、
心に残った言葉がありました。
戦いでは、
始まってからの努力も大切ですが、
それ以上に、
勝てる戦いかどうかを見極めることが重要だという考え方です。
その一文を読んだとき、
私は仕事のことを思い浮かべました。
若い頃の私は、
とにかく動けば何とかなると思っていました。
でも今は違います。
まず状況を見る。
何が起きているのか。
本当に急ぐ必要があるのか。
誰に任せるのが一番良いのか。
自分がやるべき仕事なのか。
そんなことを、
一度立ち止まって考えるようになりました。
すると不思議なことに、
以前より動く量は減ったのに、
仕事はずっとスムーズに進むようになったのです。
立ち止まることは、止まることじゃない。
より良い一歩を踏み出すための準備なのかもしれない。
焦らない人ほど、よく見えている
以前、
サッカーのメッシ選手について、
こんな話を知りました。
試合中、
メッシ選手は歩いている時間がとても長いそうです。
最初は驚きました。
「世界最高の選手なのに、そんなに歩くの?」
そう思ったのです。
でも、
理由を知って納得しました。
歩きながら、
ピッチ全体を見ている。
味方の動き。
相手の動き。
空いているスペース。
そして、
「今、動くべきか。」
それとも、
「もう少し待つべきか。」
を見極めているそうです。
だから、
ここだ。
という瞬間には、
誰よりも速く動ける。
私はその話を聞いて、
仕事も同じなのかもしれないと思いました。
若い頃の私は、
焦ることが当たり前でした。
電話が鳴る。
メールが届く。
予定が変わる。
すると、
すぐに動いていました。
「早く対応しなきゃ。」
「急がなきゃ。」
そんな気持ちで、
いつも走り回っていました。
でも今は、
少しだけ違います。
まず状況を見る。
本当に今すぐ対応する必要があるのか。
他にもっと優先すべきことはないか。
少し立ち止まって考えるだけで、
見えてくるものがあります。
焦って動くより、
落ち着いて動いたほうが、
結果的に早く、
そして丁寧に仕事が進むことも多いのです。
メッシ選手は、
歩いていたのではありません。
一番良いタイミングを見つけていた。
私は、
そんなふうに感じました。
焦ると、目の前しか見えなくなる。
立ち止まると、その先の景色まで見えてくる。
焦らない人ほど、実は周りをよく見ていて、必要なときには迷わず動ける。
一瞬立ち止まるだけで、ミスが減った
メッシ選手の話を知ってから、
「まず見ることって大事なんだな。」
と改めて思うようになりました。
そして、
これは特別なことではなく、
自分の仕事でもできるんじゃないかと思ったんです。
以前の私は、
何か頼まれたり、
何か起きたりすると、
すぐに動いていました。
「早くやらなきゃ。」
「忘れないうちにやらなきゃ。」
と、
頭の中が焦っている状態で、
そのまま動き出す。
でも最近は、
ほんの一瞬だけ、
立ち止まるようにしています。
「ちょっと待てよ。」
と、
指差し確認でもするように、
自分の周りを見てみる。
今やっていることは何か。
他に優先することはないか。
忘れていることはないか。
確認してから動く。
たったそれだけのことですが、
以前よりミスが減ったような気がします。
そして、
これは仕事だけではありません。
家に帰ってからも、
「あれ、ちゃんとやったかな?」
と一度確認するようになったせいか、
奥さんから怒られることも、
少し減った気がします(笑)。
焦っていると、
目の前のことしか見えません。
でも、
ほんの一瞬立ち止まるだけで、
周りが少し見えるようになる。
「立ち止まる」というのは、仕事を止めることではない。
間違えずに進むための、ほんの一呼吸なのかもしれません。
勝てる場所で、力を使う
私の働き方も、
若い頃とは少しずつ変わってきました。
私の働き方も若いころと違って少しずつ変化しています。
- 何でも引き受けなくなった
- 優先順位を考えるようになった
- 「断る」という選択肢を持つようになった。
そして、
人に任せることも、
少しずつできるようになりました。
昔の私は、
「全部、自分でやらなきゃ。」
と思っていました。
でも今は、
自分が力を使う場所を選ぶ。
そんな働き方も、
悪くないと思っています。
何でも引き受けなくなった
若い頃は、
来たものは、
まず受け入れる。
「ノー」と言わない。
動き出せば、
意外となんとかなる。
ダラダラするな!
とにかく動け!
そんな気持ちで仕事をしていました。
頼まれたら引き受ける。
仕事が増えたら、
「まあ、なんとかなるだろう。」
と、とりあえず走り出す。
実際、
なんとかなったこともたくさんあります。
だからこそ、
「このやり方でいいんだ。」
と思っていたのかもしれません。
今思うと毎日疲れていました…
それでも当時は、
「疲れている=頑張っている」
くらいに思っていたんですよね。
でも今は、
全部を引き受けることが、
責任感の強さだとは思いません。
自分ができること。
自分がやるべきこと。
そして、
自分がやらなくてもいいこと。
そこを一度考えてから、
動くようになりました。
そのほうが、
本当に必要な仕事に、
ちゃんと力を使えるからです。
優先順位を考えるようになった
以前の私は、
頼まれた仕事は、
とにかく早く片付けようとしていました。
でも、
仕事には、
「今日やらなければならないこと」と、
「今日じゃなくてもいいこと」があります。
さらに、
「そもそも自分がやる必要がないこと」もあります。
そこを考えずに、
目の前に来た仕事から順番に片付けていたら、
いつまで経っても、
本当に大切な仕事にたどり着けません。
今は、
「これは本当に今やることかな?」
と一度考えるようになりました。
急いでいるように見えても、
実は急がなくていいこともあります。
逆に、
一見小さな仕事でも、
後回しにすると、
あとで大きな問題になることもあります。
だから、
全部を同じ「急ぎ」にしない。
これだけでも、
ずいぶん気持ちが楽になりました。
「断る」ことも選択肢になった
以前の私は、
「断る=悪いこと」
だと思っていました。
でも、
今は少し違います。
自分の手いっぱいの状態で、
さらに仕事を引き受けて、
結局どれも中途半端になる。
それなら、
最初に状況を伝えたほうがいい。
「今日は難しいです。」
「○日までならできます。」
「これは○○さんにお願いしたほうが早いと思います。」
そんなふうに、
できることと、
できないことを、
きちんと伝える。
それも仕事の一つなんだと思うようになりました。
断ることで、
一時的には気まずいこともあります。
でも、
無理をして約束を守れなくなるより、
ずっと誠実な場合もあります。
そして何より、
断ることで生まれた余裕が、
本当に大切な仕事に使える。
最近は、
そんなことを実感しています。
人に任せることも、仕事のうち
もう一つ、
以前の私には苦手だったことがあります。
それが、
人に任せることです。
「自分でやったほうが早い。」
「説明するのが面倒。」
「お願いしたら相手に負担をかけるかもしれない。」
そんなことを考えて、
結局、自分で抱えていました。
でも、
最近は少しずつ、
人に任せるようになりました。
もちろん、
全部丸投げするわけではありません。
必要なことを伝えて、
あとは相手に任せる。
すると、
自分が思っていた以上に、
ちゃんと対応してくれることがあります。
先日の仕事でも、
お客さんから急な納期変更の相談がありました。
私は最初、
「無理にやらなくてもいいですよ。」
と言おうと思いました。
でも、
それを言ってしまうと、
担当してくれている人の判断を、
かえって縛ってしまうかもしれない。
そう考えて、
あえて口を出さずに任せました。
結果的には、
その人自身が判断して、
きちんと対応してくれました。
そのとき、
思ったんです。
必要以上に頑張ることは、時には自己満足なのかもしれない。
自分が動かなければならない。
自分が助けなければならない。
そう思い込むより、
「任せる」ことも相手を信頼することなんだ。
そんなことを、
少しずつ学んでいます。
焦らないことは、諦めることではない
ここで、
今回の記事の大事なところを一度整理したいと思います。
焦らない。
立ち止まる。
何でも引き受けない。
人に任せる。
こう書くと、
「仕事をサボっているだけじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、
私が目指しているのは、
「頑張らない人生」ではありません。
むしろ逆です。
本当に大切なときに、ちゃんと頑張れる人生です。
そのために、
普段は少し余力を残しておく。
そのために、
戦う前に考える。
そのために、
自分が力を使う場所を選ぶ。
昨日の記事で書いた、
「余裕を残す」という考え方と、
今回の
「戦う前に、立ち止まる」
という考え方は、
実は同じところにつながっているのかもしれません。
人生も、全部の戦いに勝たなくていい
若い頃は、
「負けたくない。」
という気持ちが強かったと思います。
仕事でも、
人間関係でも、
周りの人に負けないように。
認めてもらえるように。
少しでも上に行けるように。
いつも、
何かと戦っていたような気がします。
でも、
人生って、
そんなに全部勝たなくてもいいんですよね。
仕事で、
全部の案件を取らなくてもいい。
誰かに、
認めてもらえない日があってもいい。
苦手な人と、
無理に分かり合おうとしなくてもいい。
自分に合わない場所から、
離れることがあってもいい。
以前の私は、
「逃げる=負け」
だと思っていました。
でも今は、
そうとも限らないと思っています。
勝てない戦いから離れる。
自分には必要のない競争から降りる。
今の自分では難しいことを、
「今回はやめておこう」と選ぶ。
それは、
負けではありません。
自分の人生にとって、本当に大切なものを守るための選択です。
孫子の兵法を読んで、
「戦わないことも戦略なんだな。」
と思いました。
そして、
それは仕事だけではなく、
人生にも言えるのかもしれません。
人生は長いです。
全部の場面で、
全力を出す必要はありません。
全部の人に、
好かれる必要もありません。
全部のチャンスを、
つかまなくてもいい。
大切なのは、
自分にとって本当に大事な場所で、
ちゃんと力を使えること。
そのためには、
時には立ち止まり、
時には引き返し、
時には「今回はやめておこう」と言えることも、
必要なのだと思います。
全部に勝とうとしなくていい。
大切なものを守れたなら、それで十分なのかもしれない。
まとめ
以前の私は、
何かあれば、
すぐに動こうとしていました。
頑張れば何とかなる。
動けば道は開ける。
そんなふうに思っていたんだと思います。
でも今は、
少しだけ立ち止まるようになりました。
まず状況を見る。
本当に今、
動く必要があるのかを考える。
自分がやるべきことなのか。
誰かに任せたほうがいいのか。
そもそも、
戦う必要があるのか。
そんなことを考えてから、
動くようになりました。
メッシ選手のように、
じっと周りを見て、
ここだという瞬間に動く。
孫子の兵法のように、
戦う前に、
勝算を見極める。
もちろん、
私はメッシ選手でもなければ、
兵法家でもありません(笑)。
でも、
その考え方は、
これからの自分の仕事や人生にも、
取り入れられる気がしています。
焦らない。
立ち止まる。
考える。
そして、
必要なときに動く。
それは、
「頑張らない」ということではありません。
本当に大切なときに、ちゃんと頑張れるようにすること。
そのために、
普段は少し余裕を残しておく。
全部の仕事を抱えない。
全部の戦いに参加しない。
そして、
自分にとって大切な場所で、
持っている力を使う。
40代になって、
ようやく少しずつ、
そんな働き方、生き方が分かってきたような気がします。
人生は、
まだまだ続きます。
だからこそ、
これからは、
やみくもに走るのではなく、
時々立ち止まって、
周りの景色を見ながら進んでいきたい。
そんなふうに思っています。
焦らなくていい。
立ち止まって見渡せば、今まで見えなかった道が見えてくるかもしれない。
今日の気づき
「頑張る前に、考える。」
それだけで、
仕事も人生も、
少しだけ穏やかに進めるのかもしれない。
Life Grows Softer.
人生は、少しずつ穏やかになる。
今日も、まぁいいっかと思える自分でいましょう。
橘の気づきノート #012
